こんにちは、浅川真莉那です。
「コラム」という分類で書いていますが、ブログの延長のような堅苦しくないものなので、気楽に読んでいただけたら嬉しいです。
さて、今回のテーマは『ピアノの前にリトミックを経験することは「食べる」ことと同じ!?』です。
…はい?
ですよね笑
一体どういうことなのか、説明していきます!
ぜひ最後までお付き合いください♪
まずは例え話からいきましょう。
子どもが「りんご」という言葉を習ったとします。
平仮名を習い、「り」「ん」「ご」と書くんだよと習い、りんごは赤くて、丸くて、甘くておいしいんだよと習います。
でも、もし「りんご」の実物を見たことがなかったら?
触ったことがなかったら?
食べたことがなかったら?
なかなかイメージがわかず、理解も難しいとは思いませんか?
見たことがある、食べたことがある、触ったことがある。
その状態で、「これは、りんごって言うんだよ」と教わるので「そうか、これ、りんごっていうんだ」とスッと理解できます。
平仮名での「り・ん・ご」の書き方も、りんごは木になるってことも、どんな地方で盛んに作られているかも、全て「りんご」の実物に触れて・触って・食べたことがある方が理解も早いですし、興味もわきますよね。
もう一つ、例を挙げます。
英語を学習するとします。
さあ今から英語を学ぶ!となった時、「ABC…」とアルファベットから学習するやり方をイメージする方も多いのではないでしょうか。
AからZまでが分かったら、次に単語を覚えて、文法を習って…
でも、英語圏の子どもたちはこんな順番で学ばないですよね。
生まれた時から英語でたくさん話しかけてもらって英語のシャワーを浴び、いつの間にかパパやママの言葉が理解できるようになっていて、アルファベットや文法を知らなくても流暢に喋れます。
さて、私が言いたいこと、だんだん分かってきていただけたのではないでしょうか?
私は音楽の学び方も同じだと思っています!
つまり、リトミックでやっているのは、りんごの例では「見る」「食べる」「触る」にあたることです。
英語の例でも同様です。リトミックでは「音楽のシャワー」を浴びています。
いきなりピアノから習い始めた場合、(もちろん先生の方針や年齢にもよりますが)昔ながらのピアノの学び方では「ドはここだよ」からはじめることが多いかなと思います。
ピアノの鍵盤でドはここ
楽譜で書くと、これがド
♩はタン、♪はその半分でタ…
もちろん、これで上手くいく子もいます。
大人や、小学生などある程度大きくなってからピアノをはじめる場合はこのやり方も良いと思います。
でも、まだ小さな子ども達にとってはイメージしづらいです。
その学びに入る前に、音楽を身体で感じながら遊んだことがあれば、ずっと楽にピアノの学びに入ることができます。
私がリトミックで大切にしているのは「経験すること」です。
優しい風が吹いているみたいにスカーフを揺らしたり
大きな波が来たみたいに全身を大きく動かしたり
お馬さんのようにパッカパッカ走ったり…
音楽に合わせて、このようなことをたくさんやります。
知らず知らずのうちに、ドレミファソラシの中ではドが低くて、シが高いということも経験していますし、♩では犬になってワンワンお散歩して、♪ではリスになって小走りになったりして。
そして、それが「経験」として子ども達の引き出しにたくさん詰め込まれていきます。
そんな子ども達が、少し大きくなってピアノを始めた時、この引き出しが大いに役立ちます!
楽譜に「♩」と「♪」が出てきた時、♩は♪が2個分で…と理論を説明しなくても、「♩はワンちゃん、♪はリスさんだよ〜」と言えば、感覚で理解できてしまいます。
「ドレミ」の各音の高さも自然とそういうものだとイメージできますし、メロディーやリズムを覚えて真似するなんてことも数多くやってきているので譜読みも早いでしょう。
また、表現の面においても有利です。
例えば「強く」という意味の「f(フォルテ)」が楽譜に書かれていた時、
ゾウがドッシンドッシンと歩く感じなのか
突然雷が鳴り響く感じなのか
大空のように果てしなく広い感じなのか…
リトミックを経験した子どもたちは、この表現方法のタネをたくさん持っています。
そして、どのように身体を使えばそう表現できるのか、実際に表現することもたくさん経験してきています。
このように、リトミックでの「経験」が、ピアノを始めた時に大きなアドバンテージになるのです。
これは、座学では学べないこと。
そして、私はこれを学ぶ黄金期は幼児期だと思っています。
大きくなってしまってからでは恥ずかしさが勝ってしまって、感じた通りに全力で身体を動かすのは難しいからです。
私のピアノレッスンでは、リトミック経験がない子ももちろん歓迎です。
ピアノレッスンの中で、リトミック的アプローチもしながらレッスンしていきます。
ピアノを学びながらでもリトミックで身に付く力をつけていくことはできます。
でも、よちよち歩きの頃からリトミックを通して音楽と楽しく遊んできた経験は、後から欲しくなってももう取り返せないものです。
もしお子さまが、今はまだピアノをはじめるのに早いご年齢で、もう少し大きくなったらピアノをとお考えの方。
今、リトミックをはじめることを全力でおすすめします!!